最近良く問い合わせがあります

ご無沙汰致しております。皆様こんにちは。
めっきり寒くなって参りました。冬到来。スキーシーズンの始まりです。

私はスキーが好きなので、行きたいのですが、なかなか行けない年が続いております。
早く不況を脱して、スキーに存分に行ってみたいものです。

最近は寒さにめっきり弱くなり、興味の有る事でも無い限り寒い所へのお出かけは無くなってきました。
特に、年を取ると体のあちらこちらに不具合が出始めて、そこからシステムダウンが起こる事もありまして・・・

システムダウンと言えば、最近良くお問い合せがあります。
「パソコンが動かなくなりました。どうすれば良いでしょうか?」

電源は入ってますよね?まぁ、元々パソコンは動かさないのが普通ですが「ぐい」と力を入れれば「ずるっ」と動くかもしれません。

そういう事ではなく、まぁ、電源が入らないとか、電源が入っても画面が青いとか、何回も再起動がかかるとか、色々起こっています。身の回りで。

私の自宅のパソコンも、昨日突然動かなくなりました。

やはり、パソコンも冬の到来を感じているのでしょうか?

とにもかくにも、最近、マシントラブルの相談が多く寄せられております。

お問い合せがあったとき、我々としては
1.これ以上被害を増やさない事
2.迅速に復旧に当たる事
3.出来る限りデータの救出を行う事
を念頭に行動を起こさなければなりません。

大抵始めは電話での応対になります。
そのため、状況を確認します。
1.画面にはどんなメッセージが出ているか
2.キーボードやマウスの入力は受け付けるか
3.異音や異臭はしてないか
4.電源は刺さっているか(笑)

もし、1で得た情報が的確でかつ致命傷では無い場合、電話でサポートはほぼ完了します。
電話口ではパソコンの画面が見えませんので、如何に情報を得るかが大切になります。
お客様は画面が見えているので、説明が十分では無いのですね。
そこから如何に必要な情報を聞き出すか。これが大切です。

次に、PCが(電源が入っているという意味ではなく)動くのか、というあたりを確認します。
お客様にとっては、「画面が表示されている=正常に動いている」という認識なので、何かしら表示されていると、得られる情報が非常に少なくなります。
そこで、キーボードやマウスを使って貰って、その反応があるかどうかを確認します。
もし、反応が無ければ、起動前のシステムダウンが考えられます。

画面が表示されていなければお客様がおっしゃっている現象は恐らく電源ランプの点灯くらいなので、異音や異臭がしてないか確認します。
異音は「ピー」なのか「ガリガリ」なのかでも状況がかなり変わると思います。
異臭はもってのほかです。電源ソク切りです。

それでも何も反応が無い場合、電源コードを確認して頂きます。
これ、結構あるんですよ(笑)。足が引っかかって電源コードが抜けてたとか、PCの背面に刺さっている部分が抜けかけてたとか。
お客様は恐縮されるのですが、意外と気づかないもんです。全然恥ずかしくないんですね。私も良くやります。

さて、ここまできてダメな時、我々はまず、電源を入れないようにお願いします。
そして、持ってきて頂くように(あるいは、出向くように)しています。

なぜ電源を入れないようにお願いするのでしょうか?
それは、ハードディスクの障害を出来るだけ少なくするためです。

PCの部品はいくらでも買い換えが効きます。
しかし、ハードディスクの中に入っているデータだけは買えません。
特に写真なんかそうですね。

皆さんの中にも写真をハードディスクの中に保存して安心しておられる方が沢山いらっしゃると思います。
昔のハードディスクは丈夫でした。でも、最近のハードディスクはそんなに丈夫ではありません。
なぜなら、単位面積あたりの情報量がとても多くなっているからです。

ハードディスクは通常、磁性体を表面に添付した円盤を高速に回して記録・再生しています。
この磁性体の極性を変化させる事によって情報を記録し、その極性を読み出す事により、情報を取り出しています。
そして、記録出来る、という事は、消える事もある、と言う事です。

この消えるパターンには色々ありますが、最近では単位面積あたりの情報量が多いため、隣の情報と干渉し合う事があります。
その干渉で消える事があるんです。詳しい事は色々な解説サイトにお任せしますが、なんせ、最近のハードディスクはそんなに強くありません。

弱いと言っても、むやみに簡単に壊れるわけでは無いですから、そんなに心配する事では無いのですが、もし万が一消えたら、と思うと気が気ではありません。

そのため、様々なバックアップ方法が提案されているわけですが、DVDやCD等の媒体に保存しても、結局は媒体の特性として、半永久的に保存可能なわけでは無いので、やっぱりパックアップも難しいわけです。

そこで私はハードディスク2つに、同じ情報を書き込む装置を使ってデータ保全に努めています。
いわゆるRAIDと呼ばれる装置ですが、2つ同時にハードディスクが壊れる事は無いだろう、という発想から使用される装置です。
もちろん、2つ同時に壊れる事が無いとは言えません。ただ、一番お手軽で、単位媒体単価が安く、アクセスが早く、書き換えが可能な装置であるという利点は見逃せません。

話が逸れました。

で、お客様には出来るだけ電源を入れないようにお願いします。
これは、ハードディスクの内容がこれ以上損害を被らない様にするためです。
ハードディスクに何の問題が無くても、電源を何回もオンオフするリスクは大きいのです。
ハードディスクのデータ破損の多くは、ヘッド(データを読み出すレコード針の様なもの)の円盤への接触による円盤表面破損です。
良くノートPCで起こります。
最近のハードディスクは賢くて、横Gを感じるとヘッドを待避してくれるものもあるそうですが、基本的に、ヘッドが円盤表面上にいる時に衝撃(振動や電源のオンオフ)が頻繁に起こるのはいただけません。
そのため、電源を出来るだけ入れないようにお願いしています。

また横道に逸れますが、ヘッドは磁気面すれすれを「浮いて」いるのです。
ヘッドの浮上距離をジャンボジェット機に例えると、地上から0.5mm程度の高さで飛行している事になります。
そら、ちょっとした振動で表面削っちゃいそうですよね。

そういう意味からも、出来るだけ電源を入れないようにお願いしてます。

そして、ハードディスクの状態を見せて頂き、通常の問題であればディスクチェック等の処理を行う事で復旧したりします。
ただ、中には難しい症状の事もあり、その時は、ディスクを取り出して、他のマシンで読み込んでデータだけは復旧する事にしています。

先日は大変な事が起こりました。
かなり古いPCでした。
ディスクチェックするべきとの状態となり、Cドライブのディスクチェックを行いました。
問題なくディスクチェックが終わり、再起動すると起動しません。
おかしいなと思い、よくよく見てみるとDドライブが起動ドライブになっていました。同じディスクの別パーティッションです。

改めてDドライブをディスクチェックしてみると・・・・
しばらく頑張っていたようですが、途中でディスクチェックプログラムが諦めた・・・・
おかしいと思い再起動。
ディスクを認識しません・・・・

どうやら、ディスクの円盤ではなく、コントローラがお亡くなりになったようで。
これは、いかんともし難い・・・コントローラが死んでしまっては手も足も出ません。
静かに天寿を全うされました。

残念なのは、ディスクの中身を救出できなかったことですが、そのお客様には弊社納品のファイルサーバが。
こちらはRAID構成でデータの保全は万全。
事なきを得ました。

備えあれば憂いなし。

やはりデータはサーバ側で安全に保全するのが良いと痛感しました。

皆様、データは安全に保管してますか?


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