闘病日記Vol24(2000/2/10)

まったくなんだかなぁ、フォークリフト。毎日が楽しくて仕方ありません。
でも、「無理」って言葉の意味知ってる?って感じです。

今日はNo3の勧めでじゃこを食べました。
フライパンで炒めたじゃこだけど結構香ばしくていける。それにしてもたくさん持ってた。
中くらいのインスタントコーヒーの瓶で2つ分も持ってた。 なんでこんな物を持ってるかと言えば、No3は骨がくっつきにくい体質のようでカルシウムとナトリウムが必要なんだそうです。 で、いつも持参の炒めじゃこに酢をかけて食べているそうだ。あー、すっぱ。
それをごちそうになった。基本的に煮干し系の好きな遠藤としては大歓迎。とってもおいしくいただきました。
ということで、煮干しのお土産待ってます。(笑)

ところでどういういきさつでNo3にじゃこを頂くことになったのかと言えば、やっぱり原因はフォークリフト。 今日で3日間大便が出てません。やっぱりベッドの上でするのには抵抗があるようだ。 大便がしたくなっても出てこないみたい。
で、大便がしたいときは我々3人は部屋を出ていくことにしています。 そりゃぁ、人がいたら出るもんも出ないであろうという配慮からです。
しかし、結果は3打席空振り三振。今晩はガス中毒かなぁ。。(笑)
その折り、私は逃げ場がないので(談話室にはたばこ臭くて近づけない)No3の部屋に行きます。 で、四方山話をするわけですが、その時、頂いているわけです。

No3は理由はわからないのですが、骨がくっつきにくいそうなのです。
そのためリハビリも思うように進みません。もう、2ヶ月も車椅子生活です。 でも体的には立てる程度までは来ています。 しかし、いかんせん骨がくっつき切れていない(今は鉄板で固定している) のでなんとか骨をくっつけなくてはなりません。
そこで、超音波治療をする事になったそうです。 初めは何かと思ったのですが、よくよく聞くと面白い装置のようです。

人間の骨や筋肉は負荷を与えると成長します。
筋肉は動かすと切れるのですが、切れると修復機能によって修復されます。
このとき、筋肉の繊維がちょっと太くなるんですね。 皮膚の傷口がケロイド状態になるのと一緒と考えればよくわかるでしょう。 で、また運動すると細いところがまた切れる。修復して太くなる。 そうやっているうちに筋細胞が太くなって、ムキムキになるわけです。
これは骨にも例外ではなく同じように働きます。つまり、骨に負荷をかければ骨は太くなるのです。
そりゃ、かけすぎたら折れるけど、適度に負荷をかけると修復機能が働き、骨が太くなるそうです。
ところが骨を折ってしまうとその部分には負荷をかけられませんから、修復を促進できないんですね。 それでも新陳代謝で骨は折れたところを修復しようとします。
しかし、その能力が劣っているNo3は新陳代謝では骨を繋ぎきれないらしいのです。
そこで、超音波の登場です。
原理は簡単。超音波で骨に負荷をかけるのです。 歩いたりする負荷と違い、超音波だと狙ったところにしか負荷がかからないのです。 つまり、他に余計な影響を与えずに骨の修復機能を利用することが出来るのです。
この理屈を利用した装置が開発され、それを適用することになりました。
しかし、この病院はまだそんなに事例が無く、なかなか開始されないとのこと。 しかし、私の知っている5歳の子の骨折にはもう使ってる。
つまり、あれか、若いもん順か。(笑)

それにしてもフォークリフトは強者。
今日はついに近くの洗面台までベッドから移動してしまいました。 もう、注意するのも飽きましたからね。
で、タイミングのいいことに看護婦が来ました。はは。
当然、怒られてます。で、当然主治医の耳にまで届きます。 その数分後主治医が来てさんざん怒られてました。
主:「○○さん、無理をしたら駄目なんだよ」
フ:「無理はしてないんだよ。ここからね、足を着いてイスに乗ってそこまで移動して。。。(と説明が続く)」
主:「だから、今は足を着いちゃ駄目なの。私たちの言ってることわかるかな?」
フ:「はぁ。でも、無理はしてないんだよ。そこまで…」
主:「あのね、今が大事なの。右足なんか糸でしか繋いでないから足なんか着いたらはずれてしまうんですよ」
フ:「そぉやなぁ」
主:「言ってることわかりますか?」
フ:「はい、今が大事なんですね」
主:「守ってくださいね」
でも、全然こたえてないみたい。ははは。ま、いいけどね。遠藤の体じゃないし。
月曜日にレントゲンを撮るみたいだけど、骨がずれてたらどうなるんだろう?再手術?それは無理か。
たぶん、後遺症が残る足になるんだろうなぁ。足は一生着けなくなるかもね。
ここまで行くと呆れてしまいます。(笑)

今日のリハビリではついに100度の大台に乗りました。
100度ちょっと曲がったそうです。それにしても曲げるのの痛いこと痛いこと。

今日からは暖めるのも趣向を変えています。
ちっちゃいプールのような所に足を突っ込んでジェットでほぐす方法で暖めます。 この方法を使うと曲がりやすくなるんだって。で、ついに100度の大台を達成しました。 結構うれしかった。でも、暖めないと曲がらないと言うことは年を取ったということなんだろうなぁ。 悔しい。
その後、いつものように筋トレをして帰りましたが、今日は体の様子がちょっとおかしい。 おかしいといってもいい方におかしい。
相変わらず体は疲れているのだが、いつもと同じ回数だけ筋トレをしてもまだ余力が残っていそうなのだ。 もしかして、筋肉が付き始めたかな?ちょっとムフフです。
胸もあばらが見えなくなったし、力を入れると筋肉がある。
腕も表面の贅肉がちょっと落ちたみたい。
しかし、腹筋周りだけはなかなか落ちない。ま、そりゃそうなんだけどね。
腹筋周りは足が使えないから数をこなせないの。 腹筋も結構いい感じで鍛えられてきたんだけど、回数をこなせないから脂肪も落ちない。
それに持久力も無い。 これは有酸素運動が出来ないから仕方ないんだけど、とても残念。 持久力がないと生活に支障が出そうだ。
何事も持久力(体力)が大切だからね。
しかし、焦らないで行きましょう。

それにしても、今日は膝が少々痛くなって、熱くなりました。
で、戻ってからはクーリングの嵐です。冷やしまくりです。でも、やっぱり腫れてる。
先生が回診にやってきました。ま、基本的には調子がいいので、そう説明しました。 すると、うつぶせになりながらやる足曲げ方法を教えてくれました。 なかなか良さそうです。
しかし、これが、痛い。膝の前の方が痛い。おかしいと思い、先生に再度見てもらいました。
やっぱり案の定です。水の溜まりが結構な量になっているようです。 苦しくなければ(私も先生も)そのままにしておくつもりでしたが、やっぱり痛いようです。 水を抜くことにしました。
20mlの注射器を用意して膝に「ぷちゅっ」。
ぐぐっと押し込みます。4cmくらい入ったところで注射器を引きます。
出てくる出てくる、赤血球と白血球がまざった水のような物が。 色的にはワインの「ロゼ」って感じです。 何回かやっているので見るのは慣れていますが、相変わらずきしょいです。
で、20mlが一杯になると先生は「もう一本」と看護婦に指示します。
そうです、一本では済まないくらい溜まっていたのです。
注射針だけ残して本体をはずします。
「痛っ!」。
針が揺れました。その時膝の中のどこかにぶつかったみたい。鈍痛。
はずした針からは「ロゼ」がちょろちょろ出てきます。
注射器本体を装着し再度引きます。で、20mlをもう一本一杯まで吸ってやっと終了。
結局40ml程度出ました。こんなに膝の中に入っているとさすがにキツキツでした。 抜いたら膝の軽いこと軽いこと。結構楽に曲がります。
ありゃぁ、リハビリの前に抜いてもらうんだった。。。これが曲がらない原因だったのか。。

明日からは3日間ほどリハビリがお休みです。連休ですからね。
仕方ないので自分で曲げる練習と筋力トレーニングをしなければなりません。
自分の体はかわいいから痛くなると止めてしまうのが玉に瑕ですが、 出来るだけ努力して月曜日には110度程度曲がるように調整です。がんばんぞー。

それにしても、注射嫌いの人ごめんなさいね。
でも自分の体の中に注射針が「ぐぐぐっ」っと入っていく様を見てると壮観ですよ。
一度お試しあれ。。。。(何をだ!?)


TOPへ戻る