闘病日記について

この日記は私が高校3年生のときに怪我したところを10数年たった今、 やっと手術しようと入院したときの入院生活を赤裸々に記述したものです。
といっても本人いたって健康的で(そりゃそうだ。膝しか悪くないし、 日常生活にはまったく支障の無い怪我だから)、文句ばかりの文句日記ですが、 頑張って書きましたので興味のある方は読んでください。
文中に個人名が数箇所出てきますが、これは元々この日記が私の知り合い宛に送ったものをHP化しているために起こる現象です。 笑って目をつぶってください。
怪我は左膝前十字靭帯断裂及び半月板損傷で、前十字靭帯再形手術というなにやら呪文のような手術の顛末です。

怪我の内容は膝の靭帯が切れたのと、膝の半月板が損傷したのとをどうにかしようというものです。
靭帯は膝の中に主にある4本(横2本、中2本)のうち一本が切れてます。 これが前十字靭帯と呼ばれる靭帯の2本のうちの前側にある一本です(図1参照)。
それと、その高校時代には既に手術で一部切除してしまっている半月板のうち、 新たに見つかった後方の断裂部分の切除を行いました(図2参照)。

靭帯も半月板もほっといたら元に戻るような組織ではないのでなんとか他から持ってくるしかありません。
しかし、半月板は持ってきてもくっつけることが出来ません。 血管が通っていない部分なので再生能力が乏しく、くっつく可能性はほぼ0に近いらしいのです。
縫うという方法もあるのですが、やはりくっつく可能性は低いです。 そのため、たいていは切除手術をしてしまって、とってしまいます。 組織的には一部が無い程度であれば問題ないそうなのです。潤滑剤のようなものですからね。
ですから、スポーツ選手が「半月板損傷!緊急手術!」 とかいう見出しで新聞に載っているときはたいてい損傷部分を切除して終わりだそうです。
くっつくかどうかわからないところに時間をかけていたら、 運動を商売にしているスポーツ選手にとって致命的であることからもその理由がうかがえます。


図1


図2

しかし、靭帯は無くてもいいかというとそうはいきません。 前十字靭帯はすねの骨が前後に移動するのを抑えている役目をしているからです。
これだけはどうにかしなければなりません。
私が始め手術したときには2通りの方法がありました(医学には強くないので他にも方法があったかもしれませんが、 その当時先生から伺った方法はこの2通りしかありませんでした)。
一つ目は切れた靭帯を蟹の甲羅に含まれている「キチン」と呼ばれる組織でくっつけ、再生を待つ方法です。 二つ目は人工的な靭帯を埋め込む方法です。
しかし、どちらも成績がよくない方法なんだそうです。
そして、最近の医学ではもうひとつ新しい方法があります。 それは、他の靭帯に似た組織をもってきて元の靭帯の位置に取り付ける方法です。
これであると拒絶反応もおきにくく、さらに生体組織なのである程度の強度があり、安定した実績を持つらしいです。 しかし、それだけ太い靭帯の代わりを探すとなるとなかなかなく、 現在では膝の腱を約3分の1ほど骨付きで取り出すのがポピュラーになっているらしいです(図3参照)。
今、骨付きと書きましたが、腱と骨は後からくっつけるとなるとくっつかない組織同士らしいので、 はじめからくっついた状態で取り出し、骨が融合するのを待つ方法を取るそうです。

ま、うだうだ言っても私は医学博士でもなければお医者さんでもありません。 詳しい話はお近くのお医者さんにでも聞いてください。

それでは、日記を始めましょう。


図3
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