闘病日記Vol28(2000/2/14)

すっかり忘れていました。一昨日実は他にもお見舞いの品をもらっていたんです。
みかん。
それも箱で。それも「みかん」だけ、が来ました。
No1は「ここに配達できるんだ」って驚いていました。実際、遠藤もびっくりしました。
看護婦に
「下まで取りにいったんやからぁ」
とまで言わしめたみかん。おいしく頂いております。もう、ほとんど無くなりました(笑)。
まわりにお裾分けしましたからね。ありがとねー。

今日はとってもいっぱい出来事がありました。
三連休あけの月曜日は楽しいです。おかげでパソコンを触る時間がこれっぽっちもありませんでした。

さわれなかった主な原因はおばぁさんから借りた「本」です。
創価学会の訳の分からない本と、お茶の間推理小説(山村美沙?)です。
ダッシュで読みましたが、2時間もかかってしまいました。 なんで、貸してくれる気になったのでしょうか?
ここでもおばさん(おばぁさん!?)キラー炸裂かぁ。。。あんまりうれしくないけど。。^^;

今日はフォークリフトのギブス交換の日。
ついに車椅子が与えられました。そう。骨はとりあえず、なんとも無かったようです。 あれだけ歩いてたのにね。
手術がうまかったのか、フォークリフトの生命力が強いのか。
早速タバコを吸いに行ってました。タバコは駄目なのにね。ま、俺の体じゃないからいいけどぉ。

今日もやっぱり腫れていました。
もう、今日はリハビリを休もうと思いました。
朝起きたらとっても腫れてたんです。30〜40ml程度は溜まっていると思いました。 だから曲げようと思っても膝がつかえて曲がらないのです。
だから、主治医をとっつかまえて聞きました。
え:「また水が溜まってるようなんです」
主:「う〜ん、そうだねぇ。だいぶ溜まってるね」
え:「また抜いてもらった方がいいでしょうか?」
主:「そうだね、抜こうか」
え:「こんなんなんで今日はリハビリを休もうと思うんですけど」
主:「いや、そのままやって良いよ」
え:(え?(@_@))
主:「まぁ、腫れるものだから」
え:「んじゃ、リハビリの前に抜いてもらえるんでしょうか?」
主:「いや、夕方にしよう」
え:「んじゃ、曲げる負荷はほどほどにしますね」
主:「そうですね。まぁ、大丈夫ですけどね」
という事で、事実上動いて良い許可が出てしまいました。
せっかく休もうとしたのにあっさりと「動きなさい」が出てしまいました。 やっぱりさぼろうとしても駄目なんですねぇ。ま、痛くはないですからね。
仕方がないのでまた、CPM(自動的に足を曲げ伸ばしする機械。間違っても昔のOSの名前ではない)を始めました。
これもさぼろうと思ってたのに。。。

で、リハビリ。
やっぱり苦しいです。でも、曲がりました。^^;
100度は超してます。うーん、水が溜まってなかったらもっと曲がってるんだろうなぁ。 結局窮屈なだけでなんら問題ない程度の腫れです。
やっぱりさぼることは出来ないんですね。
結局膝の負荷は落としましたが、また馬鹿のように筋トレをしました。
あぁ。。。プロテインが欲しい。

しかし、夕方にかけて次第に腫れは増してきました。
やっぱりリハビリで動かしたのが顕著に結果として現れたようです。 立った状態でつかんでみるとA、いや、Bカップくらいはあります。
う〜ん、今回は50〜60mlくらいは溜まってるなぁ。結局夕方抜いてもらうことになりました。
え:「今回は50〜60mlくらいありそうなんです。 2回にわけても20mlでは足りないかも。
   前回注射器本体を取り替えるとき針が揺れたときむっちゃ痛かったんで、 でかいのとか無いんでしょうか?」
看:「50mlのもありますよ〜」
先:「それは私がよう引かん。力がそこまでない(笑)。せいぜい30mlが限界」
え:「なるほど、力がいるんですね」
看:「30mlもありますよ〜」
  と行ってダッシュで取りに行く
え&先:「いや、30mlでも複数回になるけど。。。」
看:「もってきました」
先:「んじゃ、30mlで引こうか」
え:「見てくださいよ。これ、Bカップくらいあるでしょ?」
看:「(自分のと見比べて)なによ〜」
え:「大丈夫看護婦さんの方がありますよ」
看:「それは先生が良く知ってますよね〜」
え:「あやしぃなぁ」
先:「(看護婦の方を見て)何いってんだよ〜(^^;」
こんな会話を交わしながら抜きました。
で、やっぱり本体を変えるとき鈍痛が。
「頑張ってみる」
とは言ってくれたんですが、やっぱり痛かった。しかし、以外や以外。40ml程度しか出なかった。
先:「思ったよりそんなに溜まってなかったね」
え:「でも、40mlくらいは出てますね」
先:「そうだね。一応薬を入れておくから。(看護婦の方を見ながら)頂戴」
看:「はい。(と言って手渡そうとしたのは絆創膏)」
え&先:「違う違う^^;」
先:「注射器」
看:「あ、はい」
というわけで、消炎剤を入れました。
これで腫れが少しでも引いて、水が溜まらないようになったら良いんだけど。
でも、明日のリハビリは今日よりは調子よく出来そう。今晩は良く冷やして寝よう。

今日は新しい登場人物「廃車歴7回の記録を持つ不死身の男」のお話をしよう。
実はこの人物、既に退院して今は通院のみであるが、入院中はただの一度もしゃべったことがない。 今日初めてしゃべった。
それにしても輝かしい戦歴の持ち主でなんです。 車3台、バイク1台、原チャ3台を廃車にした、それも全て事故で廃車にした強者です。
そのなかから2点のなかなかよさげな戦いをご紹介。

一つ目は深夜の3時頃。
車で加古川バイパスを走行中急に睡魔に襲われる(笑)。
気が付いたら中央分離帯のどこぞにぶつかって車のボンネットがVの字にへこんでたそうな。
「ラジエターの潰れた『しゅ〜』という音がしたから『まずい!』と思って逃げ出した。 幸い窓ガラスが割れていたのでそこから這い出した」
らしい。さすがに深夜3時だけあって、車がなかなか通らない。
さらに通った車2台にシカトされて、3台目の老夫婦にやっと119番通報してもらったらしい。
その時は気が付かなかったらしいが、左足の中指がまっぷたつに割れていたそうだ。 幸い骨はなんとも無かったらしい。
そのまま病院へ運び込まれたらしいが、足下で看護婦と先生が
「これ、くっつくかなぁ?」
と会話していたらしい。
「おぃおぃ、足の指が6本になってしまうやんけ〜」と思ったらしい。
でも、そんな所でわざわざ患者が不安になるようなことを言わなくても良いと思いませんか?
とある総合救急病院なんですが、やぶで有名らしいです。
私もいろんな人に「あそこには行くな」って言われました。
ま、幸いその中指はくっついたらしいのですが、その顛末がまたすごい。
怪我は3週間程度のもので、症状も軽かったのでとっても暇。 偶然見ていた新聞の広告でバイク教習の広告が目に入ったそうだ。 前からバイクの免許は欲しかったらしく「今だ!」とばかりに取りに走ったらしい。 しかし、親に止められていたので(さすがに戦歴を見ると止められて当然かな?)こそっと取ったらしい。
教習中はまだ縫ったばかり。怪我は完治していない。
で、バイクのセンタースタンドを立てる練習の時スタンドを踏み込んで「えい!」と力を入れたら、 「ぶちぶち」っと音がしたらしい。そう。ご想像の通り縫ったばかりの所の糸が切れたらしい。 靴の中は血の海。教習も早々に切り上げ、その足で病院へ駆け込んだそうな。
いたそー。よくぞご無事で。

次の戦歴はその免許を取ってからのこと。
バイクが欲しくて欲しくてたまらない彼は友人へ貸した10万円の肩代わりにバイクをもらったそうな。
そのバイクを家の者が気が付かないはずがない。そうとう文句を言われたらしいが、後の祭り。
当然免許を取ったこともばれた。
父:「免許返してこんかい!どあほ」
彼:「自動車の免許とくっついてるさかい返せんのよ」
父:「んじゃ、車の免許も返さんかい」
彼:「それは仕事に差し支えるから」
ってな具合で免許もごり押し。バイクに乗ってご機嫌です。
その日はちょっと疲れて帰る途中。信号待ちをしていたそうです。
信号が代わり、04ダッシュ。その瞬間眠気が。。。(またか^^;)
「あっ!」
と思ったときは既に遅かったそうです。ワンボックスのリアウィンドウから突っ込んだそうです。
いわゆる人間ロケット。
ワンボックスの運転手もさぞやびっくりでしょう。 振動があって、気が付いたら自分の左横に人間が寝てるんですから。
そのまま救急車。
後から現場検証で警察が入射速度を計算したところ120km/hくらいはあったそうです。
彼は今でも120km/hはトラウマになっているようです。
ま、その後もすごい。だいたいそんな速度でぶつかっていて無事な方がおかしい。 腕は複雑骨折だし、足もそう。内蔵は直腸と膀胱が破裂していたそうです。
当時運び込まれたときの周りの人は
「もう駄目かと思ってた」
そうですから、すごかったんでしょう。いわゆる
「手の施しようがない状態」
だったそうです。
そのままICU(集中治療室)行きになって2週間。
部屋には8個のベッドがあったそうですが、一番入り口に近い方にいたそうです。 そこは「出入りがしやすい=もうすぐ終わり」の場所らしいです。
そこで寝ていたら急に騒がしくなって耳を澄ましてみると一生懸命救命している音が聞こえてくるそうです。
「うるせぇなぁ、寝とこ」
と寝て1時間もすると「し〜ん」としていた、と。 もう、既にきれいに片づけてある。つまり、亡くなったんですね。
そんなところで、一人で2週間もいたそうです。 さすがにその時は「あぁ、もう駄目かな」と思ったとか。その一ヶ月でかかった費用が約300万。 新車が一台買えてしまいます。
それでも今はあちこち後遺症はあるものの歩いてリハビリに来ています。
なんちゅうか悪運が強いんですねぇ。
他にも気が付いたら水びたしのたんぼに原チャごと落ちていたとか、 気が付いたら原チャだけ走っていってて自分は歩道との段差に尾てい骨を打ち付けていたとか、 無灯火の車にはねられて今までの人生が走馬燈のように流れたとか、 まぁ、それはそれは輝かしい戦歴です。
彼曰く、
「ゴキブリ並の生命力さえあれば後は運。 僕の場合は30〜40%の確率でしか生き残れないところを生き残ってきた。 閻魔様に『まだ来るな』と言われてるんだね。ははは」
ですと。感心しますわ。
でも、やっぱり左手の手のひらは完全には上を向かないし (お盆を手のひらに載せて水を乗せたら滑り落ちる感じ)、 右は5kg以上のものは持たないように言われてるし、膀胱は三日月型になってるし、ぼろぼろです。
生きてるだけでもすごいんですけどね。

皆さん、事故にだけは気を付けましょうね。自爆にしろ、他爆にしろ。^^;


TOPへ戻る

Hits